今回は、在留資格「特定技能」について少し掘り下げてお話ししてみようと思います。
「特定技能」制度は、人材不足解消のために2019年に新設された在留資格です。
取得するためには、各分野ごとの「技能試験」と、「日本語試験」の両方の試験に合格しなければなりません。
このほか、「技能実習2号」にて実際に日本国内で就労経験を積んだ外国人が、受け入れ企業側に「実習を良好に終了した」と認定されれば、上記の両試験の免除にて「特定技能」に移行することが可能です。
実際には、現時点ではこの例が多数を占めます。
「特定技能」を採用する企業側へのメリットは、即戦力となる外国人材の確保が可能となることです。
母国への技術持ち帰りを前提に創設された在留資格「技能実習」と違い、実習時間などもなく、勤務開始までにかかる時間や労力も短縮することができます。
(支援計画の作成等の作業は必要です)
ある程度の知識や経験を既に持っている外国人なので、実際の勤務につくこともスムーズであることが多いです。
また、受け入れる国の制限もありません。どの国の外国人でも「特定技能」取得が可能です。
(技能実習は現在15か国からのみ受け入れ可能)
一方で、デメリットとしては、「転職が可能」「賃金を含め、日本人と同等の待遇が必要」ということです。
これは「技能実習」と最も違う部分です。
基本的に、他の労働者と同じ(か、それ以上)の条件にて勤務することが必要です。
転職も制度としては可能ですが、申請手続きに時間がかかり、在留資格の変更手続きも1-2か月かかるため、現実的には大変です。
また原則として、現在の特定技能の資格と同じ職種でのみしか、転職することができません。
そのため、転職による人材の流出については、現時点では、それほど心配すべき点ではありません。
「特定技能」にて在留する最長期間は5年ですが、「建築」「造船・船用工業」の分野でのみ最長10年となります。
この2分野は家族と母国から連れてくることが可能であること、10年就労すると永住権申請の要件も満たすことから、特に長期の人材確保にもつながります。
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初回相談は無料ですので、ぜひお気軽に申しつけ下さい。
参照:ブログ <在留資格「特定技能」の受け入れ機関に求められる要件について>
ブログ<「特定技能」3か月で6577人増加。国別ではベトナムが最多、2位はフィリピンに>