広島マツダが、グループの派遣会社にて、ベトナムで育成した整備士を国内の同業他社や整備工場向けに派遣する事業を始めるというニュースが入ってきました。
今月9月2日、入社式が行われ、17人のベトナム人が入社式に参加しました。
国内の自動車整備士不足に対処するための新事業で、10か月の実務や日本語の研修を行ったあと、全国に派遣する予定です。3級整備士資格の取得も目指します。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」
大学で自動車工学などを勉強したベトナム人が対象になっており、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得し勤務することを見据えているようです。
日本で自動車整備士として働くのは、簡単ではありません。
在留資格「技術・人文知識・国際業務(以下、技人国)」では、単純労働は禁止されています。そのため、一般的なタイヤ交換などを行う業務を行うだけでは、技人国の在留資格に相当しません。
自動車工学を大学で学び、その知識をもって業務にあたり、後進の育成などに携わること、日本の整備士資格を保持していること、将来の整備主任者を目指すこと、などをもって学術的に素養があり、単純労働ではないと証明しなければ、取得できません。
今回は、自動車メーカーであるマツダが、人材派遣会社と組んで整備士育成事業、派遣事業を行うということで、このあたりをクリアした、大学卒業の人材を育成していくことと思われます。
ベトナム国内では、理系大学卒業者の間で自動車産業は人気だが、就職先は多くはないようです。そういった人材が整備士として日本で働くことができれば、日本国内の業界全体の人材不足解消にもつなげるとし、5年間で100人の育成を目指すようです。
なお、整備士研修の学費は無料。
将来的には、フィリピンなど他国での展開も考慮されているようです。
在留資格「特定技能」
学歴と高い技術力が必要な上記の技人国とは異なり、一般的な整備士としての単純労働業務にて日本国内での雇用となると、在留資格「特定技能」の自動車整備分野が該当します。
特定技能は、①日本語試験②技能試験の2種類の試験に合格した外国人を最大5年間雇用できる在留資格です。
ある程度知識があり即戦力としての雇用が期待されます。
大卒が対象の技人国とは違い、こちらは、タイヤ交換、ハンドル交換など通常の業務のみに従事することが可能で、業務内容としては現場で広く活用することができるものです。
今後活用が広がっていくことが期待されている在留資格です。
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ニュースソース:共同通信 2022/9/2