留学→経営管理への在留資格変更申請の許可がおりました。
2024年3月に日本語学校を卒業して、弊所に依頼いただきました。
在留資格「留学」での期限は5月中旬まで、時間がない中での申請でした。
具体的には、
来所いただき正式に契約した日は4月16日、
在留資格申請日は5月8日、
在留資格変更許可がおり新しいカードを受け取ったのは6月10日です。
会社設立は4月16日、設立登記完了4月18日、古物商申請日4月24日(不受理)、古物商再申請4月30日、古物商許可がおりたのは在留資格変更許可後の6月10日です。
会社設立の場所は大阪府中部、業種は主に中古車の販売、輸出入です。
留学生(卒業後)が経営者となり、従業員を雇わずに一人で会社を設立、運営します(事業が安定後にスタッフ雇用予定)。
この場合の最も大きな要件は、
500万円の資金を日本の銀行に用意すること、
その資金の流れを明確に証明すること
です。
まずは自宅とは別の場所に、法人名義で事務所の賃貸借契約を行い、
次に合同会社の設立、登記を行い、
古物商許可証を管轄の警察署に申請し、
その後に出入国在留管理庁への在留資格変更申請を行います。
日本人、もしくは同等の働き方が可能である日本人配偶者や永住者の場合は別として、経営管理の在留資格を取得する外国人経営者の方は、原則として住居とは別の場所に独立して事務所を借りる必要があります。
賃貸借契約を結ぶ場合は、2年契約が望ましいです。今回のお客様は1年契約になっていたので、2年契約に変更していただきました。
今回は最初から法人名義での契約を行っていただけましたが、通常最初は個人名義にして、後ほど会社名義に変更します。
次に合同会社の設立登記を行います。
会社定款、個人の印鑑証明書が必要です。
登記は司法書士しか行えないため、弊所の提携司法書士事務所に依頼します。
申請をしてから登記完了まで通常1-2週間かかります。
4月は混みあっており2週間くらいかかるかもしれないと聞いていましたが、2日後には登記完了の連絡をいただけました。
これで合同会社が設立したので、中古車販売業を営むにあたり必須となる古物商許可申請を行いました。古物商許可証は管轄の警察署に申請します。
会社名・住所、取り扱う古物の区分(種類)、代表者のほかに、営業所ごとに管理者を設定して記載する必要があります。
今回は経営者おひとりの合同会社であったため、営業所の管理者は経営者ご本人にしました。
しかしご本人は日本語検定N5保持、実際に警察署の窓口で文章を読んでもらい理解できるかどうか審査され、法律が関係する難解な日本語の理解に不安が残るということで管理者には不適任とされ、古物商許可申請を受理してもらえませんでした。
日本語が堪能もしくは日本人で、かつ事務所に常駐することができる人が、管理者に該当するとのことでした。
このように、最近では古物商管理者の認定が厳しくなっています。
お客様から日本語が全くできない友人もすぐ許可がおりたなどいううわさ話を聞きますが、管轄の警察によって、また担当者によって異なりますし、実際に警察でも年々審査が厳しくなっているとのことでした。古物商の管理者は、何かあった際に日本語で対応できる、警察が来た場合にも立ち会い、質問に答えることができることが条件とされています。
今回のご申請者様は親族の方が既に日本で同様の事業を行っており、申請者の会社経営についてかなり協力的であったので、ご親族の奥様(日本人)に管理者となってもらい、許可されました。
古物商の許可を出した(受理された時点、許可はまだ)後に、在留資格変更を申請しました。
入管へは、オンライン申請です。
以下の書類を申請書に添付しました。
添付書類
・事業計画書
・収支計画表(損益計算書、販売予測含む)
・申請理由書
・在留カードコピー
・パスポートコピー
・会社の履歴事項全部証明書
・会社の定款
・事務所の不動産謄本
・事務所の賃貸借契約書
・事務所の不動産図面
・事務所写真
・法人設立届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
・給与支払事務所等の開設届出
・青色申告の承認申請
・古物商許可申請書(申請中のため)
・設立時払込証明書(500万円)
・銀行口座通帳
・叔父からの資金借用書(英語)+日本語翻訳
・借用書の叔父が記載された親族関係証明書(英語)+日本語翻訳
・海外送金記録(英語)+日本語翻訳
・日本の銀行の海外送金到着記録
・現金持込の空港税関申告書+日本語翻訳
・履歴書
・母国の専門学校卒業証明書(最終学歴)+日本語翻訳
・日本語学校卒業証明書
・直近年度の市民税課税証明書
・住民票
以上、合計92枚の添付書類を添えて申請しました。
今回かかった費用は以下の通りです
合同会社の設立費用:186,500円(登録免許税、司法書士登記報酬も込)
在留資格「経営管理」申請費用:275,000円(事業計画書作成代も込)
古物商許可申請費用:55,000円
税理士報酬(設立時税務代理業務):39,916円
古物商申請時の収入印紙代:19,000円
入管へ支払う収入印紙代:4,000円
謄本など取得費用・実費計:6,908円
合計:586,324円
上記は、合同会社設立の費用のため、株式会社設立の際はもう少し金額が高くなります。
設立時の税金、登録免許税が株式会社15万円、合同会社6万円と異なるほか、株式会社では定款認証50,000円も別途必要になります。
5月8日にオンライン申請をした後、入管から申請受付番号がメールで届きます。
入管窓口で変更申請を出した際には在留カードにスタンプが押されますが、オンライン申請では受理印がありません。
そのため、この申請受付番号記載のメールを印刷して在留カードと一緒に携帯しなければいけません。
5月27日に入管から審査完了、在留カード原本送付依頼のメールがあり、郵便で送りました。
2週間ほどで新しい在留カード「経営管理」と、穴が開いた古い「留学」の在留カードが郵送されてきました。
オンライン申請から、1か月2日での在留資格変更許可となりました。
在留資格変更許可が下りた旨を連絡し、新しい在留カードを持参して管轄警察署に行き、古物商許可証も無事に受け取ることができました。
出入国在留管理庁ホームページ資料によると、
経営管理の新規取得(認定申請)までの所要日数は、100.2日
経営管理への変更申請までの所要日数は、87.7日
となっています。
(参照:出入国在留管理庁ホームページ 広報・情報公開等→広報→在留審査処理期間→令和6年度 第一四半期 令和6年4月1日~令和6年6月30日 PDF)
在留審査処理期間 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
今回の申請では、上記標準処理期間に比べると非常に早く結果を受け取ることが出来ました。
弊所では、現在のところ在留資格申請にて100%の許可率を維持しています(再申請での許可を含む)。
経営管理を含む在留資格の取得、変更申請、外国人雇用、労務管理に関する無料相談を行っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。