技能実習制度、特定技能制度の在り方に関する有識者会議の中間報告書が、5月11日に発表されました。
出入国在留管理庁ホームページ掲載の中間報告書の内容を抜粋し、変更点の概要をまとめました。
①制度の目的と実態の乖離
→現行の技能実習を廃止し、「人材確保」と「人材育成」を目的とする新たな制度の創設を検討。特定技能は、2号の対象をすべての分野に拡充、家族帯同や将来的に永住権取得を目指せるように検討。
②中長期的に活躍できるキャリアパスの構築
→技能実習と特定技能の分野の(一部)不一致を解消し、一致させる方向で検討
③受入れ見込数の設定等プロセスが不透明
→見込み数の設定や対象分野の設定等は、様々な関係者の意見やエビデンスを踏まえ判断し、プロセスの透明化を図る
④技能実習の転籍不可
→人材育成のために転籍制限は残しつつ、従来よりも緩和する方向(制限の在り方については議論中)
⑤管理監督、支援体制について
→監理団体、登録支援機関の要件の厳格化、悪質な送り出し機関の排除など適正化へ向けた体制の強化(機能や要件は、優良団体へのインセンティブも含め、引き続き議論中)
⑥外国人の日本語能力の向上
→一定水準の日本語能力の確保のため、就労開始前や来日後の能力向上の仕組みを設ける
以上の方向性に沿って、具体的な制度設計について議論をすすめ、今年度・令和5年秋をめどに最終報告書をまとめる予定との発表です。
日本国内での人手不足が深刻化し、外国人が日本経済の担い手をなっている現状を踏まえ、より実態に合った、人権に配慮し国際理解を得られる新しい制度を目指すという視点で検討されています。
特に①の制度変更については、非常に大きな変更点になると思います。
現行の特定技能制度のデメリットである、家族帯同の不可、最大5年までしか働けない、といった内容の改善は、大きな魅力です。
有識者会議は昨年末から複数回開催されています。
また詳しい情報が発表され次第、こちらのブログでもアップしていきたいと思います。
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参照元:出入国在留管理庁ホームページ
技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/03_00033.html
中間報告書PDF
https://www.moj.go.jp/isa/content/001395647.pdf