外国人雇用・就労ビザ

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2023.11.09   外国人雇用・就労ビザ

ニュース:外国人受験生の増加を見据え、介護福祉士試験の見直し

弊所は、特定技能を含む外国人雇用、労務管理、在留資格、永住許可申請、帰化申請の専門家です。

 

今回は、介護福祉士試験の見直しに関するニュースをご紹介します。

 

  • 厚生労働省が介護福祉士の国家試験制度を見直すことを検討している。

 

  • 筆記試験を科目ごとに合否判定する方式に変更することで、特定技能外国人などの受験機会を拡大することを目指す。

 

 

特定技能外国人など、働きながら資格取得を目指す人の受験機会の拡大に向け、合否判定の仕組みを変更するとのことです。

 

厚生労働省が介護福祉士の国家試験制度を見直し、特定技能外国人などの受験機会を拡大することを目指しています。

 

具体的には、筆記試験を科目ごとに合否判定する方式に変更することを検討しています。

 

これにより、働きながら資格取得を目指す人々の受験機会が拡大されることが期待されます。

 

この見直しは、既に保育士試験で採用されている方式を参考にしています。

 

筆記試験を計13科目の総得点で評価し、科目ごとに合否を出す方法です。

合格科目には有効期限が設定され、期限内に再受験する際には、合格科目は免除されます。

 

介護福祉士の国家資格に合格すれば、在留資格「介護」を取得でき、在留も無期限で可能になります。

また、配偶者や子どもを呼び寄せることも可能になります。

 

しかし、介護福祉士の受験資格を得るには、3年以上の実務経験が必要であり、現行の特定技能1号の最大在留期間5年の間に合格するのは難しいという意見が、特定技能外国人や介護業界の関係者から出ています。

 

高齢化が進む日本では、介護職員の人材確保が大きな課題となっています。この試験制度の見直しは、その課題解決に一役買うことが期待されています。

 

保育士試験の場合、合格科目の有効期限は3年です。期限内に再受験する際には、合格科目は免除されます。介護福祉士試験の科目合格の有効期限については、まだ発表されていません。

 

 

以下は「特定技能制度」「介護福祉士試験」「在留資格・介護」についての説明です。

 

特定技能制度

中小・小規模事業者をはじめとした人手不足が深刻化しており、我が国の経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきているため、生産性向上や国内人材確保のための人材を確保するための制度です。

この制度は、特定の12産業分野で働く外国人労働者を対象としています。

在留資格「特定技能」を取得するには、外国人は、

①技能実習を良好に終了する

もしくは

②日本語試験、技能試験の2種類の試験に合格する

必要があり、ある程度の即戦力人材が見込まれます。

 

特定技能には、1号と2号があります。

 

まずは、特定技能1号で最大5年間の在留が認められ、その後試験などを経て、特定技能2号になれば、無期限での在留が可能になり、また家族(配偶者と子)の帯同が可能になります。

 

特定技能2号は、昨年度までは建設・造船業の2分野のみ設定されていましたが、今年2023年から11分野全てに拡大されました。

特定技能の全ての分野は12分野ですが、「介護」に関しては別途「在留資格 介護」が既に設定されているため、そちらで対応することとなります。実質的には、特定技能の全ての分野で、日本での無期限の在留を目指せるように今年から改善されました。

 

また、技能実習とは異なり、特定技能は基本的にはすべての国の外国人が対象です。

特定技能制度について、日本と二国間協定を結んでいる国は以下の13か国になります。

現地での試験等も開催されることから、これらの国の外国人が、人数としては多いですが、二国間協定を結んでいない国の外国人も特定技能として働くことは可能です。(一部の国だけ除く)

フィリピン

ネパール

カンボジア

ミャンマー

モンゴル

インドネシア

ベトナム

タイ

スリランカ

パキスタン

ウズベキスタン

バングラデシュ

インド

※この情報は2023年11月現在のものであり、最新の情報や、特定技能制度の詳細は出入国在留管理庁の公式ウェブサイトをご確認ください。特定技能制度の対象国については、日本政府と各国との間での協議により変更されることがありますので、最新の情報を常に確認することをお勧めします。

 

出入国在留管理庁「特定技能制度について」

https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri01_00127.html

 

 

介護福祉士試験

介護福祉士試験は、介護福祉士の資格を取得するための国家試験であり、毎年1回実施されます。

試験は、「筆記試験」と「実技試験」の2つから成り立ちます。

筆記試験は例年1月の最終日曜日、実技試験は3月上旬に実施されます。

筆記試験は、全13科目で総得点125点です。

 

試験科目:

      1. 人間の尊厳と自立
      2. 人間関係とコミュニケーション
      3. 社会の理解
      4. こころとからだのしくみ
      5. 発達と老化の理解
      6. 認知症の理解
      7. 障害の理解
      8. 医療的ケア
      9. 介護の基本
      10. コミュニケーション技術
      11. 生活支援技術
      12. 介護過程
      13. 総合問題

実技試験は、介護等に関する専門的技能を評価します。

 

受験資格:

      • 介護福祉士養成施設(2年以上)を卒業(修了)した方
      • 介護福祉士養成施設(1年以上)を卒業(修了)した方
      • 3年以上(従業期間3年以上(1,095日以上)、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方で、実務者研修を修了した方
      • 3年以上(従業期間3年以上(1,095日以上)、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方で、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(第1号研修または第2号研修)を修了した方
      • 平成21年度以降に、福祉系高校に入学して、新カリキュラムを履修して卒業した方
      • 特例高校(高校:平成21~25、28~30年度・専攻科:平成21~25、28~31年度に入学)して、卒業日翌日以後に9か月以上(従業期間9ヶ月以上、従事日数135日以上)介護等の業務に従事した方
      • 平成20年度以前に、福祉系高校に入学して、旧カリキュラムを履修して卒業した方
      • 経済連携協定(EPA)であって、3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方

介護福祉士試験の詳細な情報や最新の更新については、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの公式ウェブサイトをご覧ください。

 

公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士試験」

https://www.sssc.or.jp/kaigo/index.html

 

 

在留資格「介護」

在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を持つ外国人が介護の仕事に従事するための在留資格です。対象者は、日本の介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士の資格を取得した外国人です。また、在留期間は5年となっていますが、在留の状況に問題がない場合には更新も可能です。何度も更新することが出来るので、実質的には無期限で日本に在留することができます。そのため、将来的に永住権を目指すこともできます。

また、家族の帯同が許されています。配偶者と未成年の子供に限られますが、日本に呼び寄せて一緒に暮らすことができます。この場合、配偶者と子供は在留資格「家族滞在」を付与されます。

 

弊所では、特定技能を含む外国人雇用、労務管理、在留資格、永住許可申請、帰化申請を取り扱っています。
ぜひ、無料相談をご利用ください。

 

ニュースソース:JIJI.com  https://www.jiji.com/jc/article?k=2023110300439&g=soc

 

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